花の色「ブルー」

花の色は本当に難しいです。
特に、花色に名前がついてるとそれぞれの方のその色イメージが
広がり、できるだけ現物通りの花色を再現して画像をアップしていても
お届けすると「色が違う!」と言われることがあります。
何と言ってもその代表格が青!ブルーです。

ブルーの場合は、カメラでの再現が困難ということではないので
逆に厄介な問題だと、私は常日頃から感じています。

一般的な物の色としてのブルーと花の色のブルーとは
全然異なることがあります。
いえいえ、異なることの方が多いのです。

今のシーズンだとサントリーさんのシクラメンもそう。
発売時には「ブルーのシクラメンが発売された!!」と
話題になった花です。

メーカーさんのカタログ写真をお借りしますね。

「なぜこれがブルー!? 紫(パープル)でしょ!?」
実物を見て「な~んだ・・・」と思われた方も多いことでしょう。
でも、画期的な色であることは間違いありません。

花の名前で「パープル」と言われるものは、
ショッキングピンクだったり、赤紫色だったりするのです。

なので、お客様に誤解を生じさせないよう、
私が色別販売時に名前をつける時には
できるだけ一般的な感覚の色で名づけるようにしています。
品種名に名前がついている時は変えたりできませんが、
その説明も加えるようにしています。

以前ある種苗メーカーさんとも話したことのあるのですが、
「ブルー問題」は1年を通して頭の痛い問題でもあります。

今、シーズン真っ盛りのピオラも例外ではありません。

うえたビオラのパピヨンワールド
このブルー系の花も毎年大人気です。
今年も「ブルーを多めに欲しい」とお願いして入荷するも
即完売でした。

ちょうど配達ご希望日の兼ね合いで、明日発送予定のお客様の苗が
1株だけ手元にありましたので、先ほど撮影しました。

これは「ブルー」でしょうか? 「パープル」でしょうか?
確かに、左上の花は、私が見てもパープルよりの花色に見えます。
右下の花も下弁はパープルでしょうか。。。。


アップで撮影してみました。
もちろん、手元に1株しかないので、1つの株に咲いている花です。

左はパープルだけど、右はブルー!?

皆さんはどう感じられるでしょうか?

花は咲き進みで色が変わりますし、気温でも変わります。
日照条件や植えられる培養土でも変わってきます。

この株もこれからパープルよりで咲くかもしれませんし、
ブルーよりで咲くかもしれません。

でも、これが当店で毎年扱っているパピヨンワールドのブルーなのです。

実際、昨年はかなりパープルよりで咲いていた株もあり、
最後に残ったその株をご注文下さったお客様には
事前にその事をお伝えしてご了解のもとでお送りしました。

でも、今年は私の色分けチェックではそのような
「これ、ブルーじゃないよね~」と思う株が無かったので、
この色系はすべて「B-1」と名付けて販売させて頂きました。

下の写真は、今在庫しているブルー系の花を集めて
集合写真を撮ってみたものです。
上中央がパピヨンワールド「B-1」です。
(ご注文のH様、すみません。。。お借りしています)

左上のパピヨンワールドは「V-1」として販売中のもので、
パープルっぽい花色を比較するためにあえて横に並べてみました。

右上は、私が「綺麗なブルー」と思って入荷した品種名不明のビオラ。

右下は、ヒビ「ヘブンリーブルー」

左下は、完全八重咲きプリムラ・ベラリーナ「コバルトブルー」です。
(昨夜の豪雨で花がびちょぴちょですが(-_-;))

こうやって見比べると、右上の品種名不明の子ほど
綺麗なブルーはないですね。

パピヨンワールドの「B-1」はブルーとして販売させて
頂いてもOKかな~と私は思うのです。
ダメでしょうか?

でも、お客様に喜んで頂くためにこの仕事をしている私としては、
お客様が「これはブルーじゃなくてパープル!花の色が違う!」
と受け取った花を見てがっくりされるのは、不本意極まりなく
哀しすぎる現実なのです。
昨夜からずっと凹んでいます。

長年花を扱っている私の中にも
「花のブルーはパープルっぽいもの」
という先入観があって、ご説明不足だったのかもしれない。。。
と反省し、今後の花色の説明に改善が必要だと感じた12月5日でした。

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